子どもが熱を出すことはよくあることです。
様々な病気と出会って抗体を作って育ちます。
「熱が出た!」でも慌てないで、まずはお子さんの顔つきをみましょう。
熱以外に何か症状はありませんか?
「いつも」を一番知っているのは貴方です。
「いつもと違う」ところがないか症状を見極めましょう。
クリニックでお熱を測っていただくと、正しくない方法で測っている姿を案外よく見かけます。
一番多いのが襟口から体温計を差し込んで、体温計のおしりが見えている状態。
これは腋窩(脇のくぼみ)の中心に体温計が入らないので正しい体温にはなりません。
脇は汗ばんでいませんか?
腋窩から下に向かって45度くらいを意識して測りましょう。
アプリでも広告裏のメモ書きでも構わないので記録は残しましょう
発熱のあるお子さまには必ず体温表をお渡しています
改善しない症状があって再診する場合は、体温表をお手元にお電話をください
例えば「3日前から38度なんです」
詳しくお話を伺ってみると、38度以下にならず高熱が続く子もいれば、朝は36~37度、午後に38度と上下する子もいます
それにより考える病気や検査や処方は変わります
お熱以外の症状も気が付いたらメモをしておきましょう
診察に役立つことが多くあります
0歳児さんの初めての熱は「突発性発疹」かもしれません。
生後6か月を過ぎると、ママからプレゼントされた抗体はほとんどなくなるので、お熱デビューはいつでもあり得ます。
突発性発疹だと、文字通り急に高熱が出るのでママは焦ってしまうかもしれませんが落ち着いて。
2~4日間、39~40度の高熱が続き、不機嫌でお腹がゆるくなりがちです。
解熱後に全身に発疹が出ることで「突発だったね」となります。
発疹は体幹から始まって手足や顔に向かって広がり、2~3日で消失します。
直接的な治療はないので、時に解熱剤の助けを借りながら、こまめな水分摂取で乗り切ります。
初めての熱を心配し、大事におくるみや毛布でくるんで受診する姿を時に目にしますが、さわって熱かったら肌着一枚でもいいくらい。薄着にしてください。
赤ちゃんはこもった熱を逃がすことが苦手です。
原因があるうちは熱が下がりませんが、薄着にすることで0.5度くらい違います。
脱水にしないことが大事です。
手足の熱が引いてきたらレッグウォーマーや靴下などで保護してください。
衣服や掛物は体をさわって確かめて調節しましょう。
生後1~2カ月で発熱した場合、常に髄膜炎・敗血症などを念頭に置いて、入院を考えて診察をします。
小児科医は解熱剤を使用しませんし、兄姉の解熱剤を使用することも禁忌です。
体温が下がりすぎたり、呼吸が浅くなったり、手当てが遅れることにつながります。
幼児や学童の発熱は、まずは休ませる、様子をみる、症状を見極める、でよいのですが、首がすわる前に熱を出したら、即日受診をお勧めします。
処方薬のPL(こども用がありますが、通常小児科医は処方しません)や市販のこども風邪薬の類には、もれなく解熱成分が含まれています。
同時に服用することは、解熱剤を過量に飲んでいることになります。
PLと解熱剤を同時に処方しないよう警告もされています。
解熱剤が効いて下がっているのか、症状が軽減して下がっているのか、見極めることが出来ないので、小児科医は解熱剤を定期で使うことを勧めません。
38.5度以上で、ぐったり、不機嫌、水分を摂らない、眠れないなど、ウイルスや細菌と奮闘中のお子さんの小休止を目的に単発で使ってください。
体温や時間で判断するのではなく、お子さんの様子を見て判断しましょう。
高熱でもちょこっと遊べたりうとうと眠れるのなら使用しなくても構いません。
39度40度あった熱が平熱まですとんと下がるのは下がりすぎ。
1~2度下がって、その間に少しでも睡眠や水分をとれれば十分だと思って使いましょう。
症状によりますが
①「明日も熱が下がらなかったら診せてね」
②「3日熱が下がらなかった4日目には診せてね」
という場合がよくあります
再診の必要性やタイミングに迷ったらご相談ください
むらかみ小児科クリニック
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Tel:(0557)52-4710