こどもがけいれんをおこしたら

子どものけいれんの中で最も多い「熱性けいれん」は、乳幼児さんが100人いれば5~6人が経験しますし、風邪症状でご来院中にクリニックでけいれんを起こすケースも珍しくありません。

パパやママやきょうだいがけいれんを起こしたことがある子どもは他の子より起こしやすいと言われます。

子どもが急にけいれんしたら家族はとてもびっくりしますね。

けいれんを起こしてしまったらどうしたらよいでしょうか。

けいれん時にしてほしいこと

まずは落ち着いて嘔吐にそなえる

  • 衣服をゆるめましょう
  • 熱があれば薄着にしましょう
  • 吐くかもしれないので横向きに。泡をふいたり吐いたら、吸い込まないように鼻や口を静かにぬぐいましょう

けいれんがおさまるのを静かに待ちます。

慌てずによく観察する

え?観察?と思われるかもしれませんが、多くのけいれんは数分でおさまるので、けいれんの様子を知るのはそばにいた人だけです。

熱性けいれんなのか、脳や代謝に異常があるのか、見極めるための大事な情報になります。

  • けいれんは左右対称ですか?どこか一カ所だけですか?
  • けいれんが何分続きましたか?
  • けいれんが止まった後、呼びかけに返事をしたりおしゃべりをするまで何分かかりましたか?

まわりに家族や友人がいて「余裕があれば」動画を撮るのも状態を伝えるひとつの手段です(それはけいれんだけでなく、いつもと違う咳・肌のぶつぶつ・いつもとちがううんちやおしっこの色なども同様におすすめをしています)。

受診の際に見せてください。

けいれんの時にしてはいけないこと

  • 大声で呼んだり揺り動かすのはけいれんを長引かせます
  • 舌をかまないように口に指などものを入れるのはかえって危険です。特に昔の方がしていた「割りばしをかませる」のは絶対やめて下さい。

けいれん後の受診は…

すぐ受診をした方がいいのか

  • 初めてのけいれん
  • 熱が高くないけいれん
  • 左右不対称のけいれん

は、けいれんが止まったら受診してください。

けいれんで救急車を呼ぶ場合

  • けいれんが5~10分続く
  • 一旦おさまったのに繰り返す
  • けいれんがおさまったのに意識が戻らない

そんな時は救急車を呼んでください。

けいれんの後の予防接種

けいれんを起こしたあと、また熱の原因や経過によっても、予防接種を控えるべき時期があります。

接種を予定している場合は、けいれんの診察を受けた医師に、いつから受けてよいかを確認しましょう。