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インフルエンザシーズンに気を付けたいお薬のこと

5歳から飲める市販風邪薬の添付文書より
5歳から飲める市販風邪薬の添付文書より

解熱剤と総合感冒薬は一緒に飲まない

熱や咳鼻水があり市販の風邪薬を朝昼晩飲み、さほど高い熱が出ないから自宅で様子を見ていたけれどすっきりしないから受診したらインフルエンザだった…毎年いるケースです。

処方される総合感冒薬(例えばPL。幼児用PLも)や市販の「かぜ薬」「かぜシロップ」には、アセトアミノフェン(解熱成分)が含まれているので、症状が和らぐ一方で、判断が遅れがちになり症状が長引くケースが度々あります。

また1日の中で総合感冒薬と解熱剤の両方を使うことは、解熱成分の過量投与になるのでしてはいけないことです。

どのお薬の添付文書にも警告が明記されています。

画像はドラッグストアで気軽に購入できる総合感冒薬の添付文書です。

 

PLの添付文書より
PLの添付文書より

解熱剤・鎮痛剤 15歳まではアセトアミノフェンを

水痘やインフルエンザの時に「アセトアミノフェン以外」の解熱剤を使うことは、脳症等の重篤な合併症につながる可能性があるため、15歳までの子どもに使ってよい解熱剤はアセトアミノフェンだけです。

幼児用PLにはアセトアミノフェン以外の解熱成分が含まれるので「本剤を15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とする」と太字で明記されています。

 

使ってもよい解熱剤:アセトアミノフェン・カロナール・コカール、座薬のアンヒバ・アルピニー・パラセタ

保護者様が使うようなポンタール・ロキソニンなどはあげないでください。

そして小児科医は、解熱成分を含む総合感冒薬や解熱剤を定期的に使うことを勧めません。

  • 38.5度以上あって眠れない・ぐったりしている・不機嫌・水分が摂りにくいなどの時
  • 38.5度はないけど喉のいたみや頭痛が強くつらい時

などの時に、最低6~8時間あけて使いましょう(6~8時間ごとに使うということではありません)。

原因の力が強い間は効きがわるいかもしれませんが、平熱まで下がることを目的とせず、1~2度下がっている間に水分を摂れたりうとうとできればよしと考えましょう。

首がすわる前のbabyのお熱は解熱剤を使わない

様子を見ないで小児科へ

通勤通学お買い物など、人ごみに出かけることが日常のおとなや子どもがインフルエンザにかかるのは至極当然のこととも言えますが、家族の誰もが元気なのにひとりでお出掛けすることがない0歳児さんが家族で一番にインフルエンザになるケースを時々見かけます。

子どもの熱は、インフルエンザやその他のウイルスによるいわゆる「かぜ」であることがほとんどですが、首がすわる前の0、1、2カ月さんのお熱は入院加療が必要な細菌性の感染症である可能性を考えて診察をします。

環境温度や衣服の調節もしつつ、早めに小児科を受診してください。

この時期のbabyに解熱剤は出しません。

きょうだいの解熱剤を使うこともしてはいけません。