日本脳炎は、日本脳炎に感染したブタを蚊が刺し、その蚊がヒトを刺すことで感染します
ブタは発症しませんが、ヒトは感染すると多くは不顕性感染(症状なく終わる)ですが、100~1,000人に1人が脳炎を発症します
ということは脳炎症例が1人いれば周囲に100~1,000人の感染者がいる可能性があるということです
高熱・頭痛・嘔吐・意識障害やけいれんなどの急性脳炎を起こすと致死率が20~40%と高く、助かったとしても40~75%の人に重い後遺症を残す重篤な疾患です
Ⅰ期1回目 標準的には3歳になったら※生後6ヶ月から接種可
Ⅰ期2回目 1回目から1~4週後に
Ⅰ期追加 2回目から6ヶ月以上、標準的には1年後(4歳)に
※Ⅰ期を7歳半までに
Ⅱ期 9歳~13歳になる前日までに
《7歳半~9歳未満》は定期接種(公費)になりません
接種もれでこの時期に受ける場合は自費になります
乳児期に受けるワクチンが多いこと、かつて日本脳炎が小児で流行していた頃に3歳以降の小児が多かったことから、標準接種時期を3歳からとされてきました
※2005年から2010再開まで積極的勧奨中断
●2006年に3歳児(熊本)
●2009年に7歳児と1歳児(高知)
●2010年に6歳児(山口)
●2011年に1歳児(沖縄)10歳児(福岡)
●2013年に5歳児(兵庫)
●2015年に生後10ヶ月児(千葉)
3歳未満の症例報告があったことから、2016年から[最近日本脳炎患者が発生した地域][豚の日本脳炎抗体保有率が高い地域]に居住している小児、[日本脳炎流行地域]に渡航・滞在する小児をハイリスクとし、希望すれば生後6ヶ月から接種を開始することを推奨しています
※静岡県はブタの日本脳炎抗体保有調査からハイリスク地域に該当しています
2023年10月には静岡県内で発症があり、伊東市は2024年度より生後6ヶ月以上の小児に日本脳炎ワクチンの予診票を発送し周知をはかっています
2024年春以降、生後6ヶ月以上のお子さまに予診票が届いたことで、ご予約ご質問ご相談が急増しています
3歳前に受けるメリットとしては
●[最近日本脳炎患者が発生した地域][豚の日本脳炎抗体保有率が高い地域]に居住している小児、[日本脳炎流行地域]に渡航・滞在する小児はリスクが高い、静岡県はいつも豚の日本脳炎抗体保有率が高目
●Ⅰ期完了後の発症事例はない
●1歳半まではワクチンの接種や乳児健診があるが、以後3歳まで途切れるため忘れてしまいがち
ということでしょうか
なお、生後6ヶ月~3歳未満で接種する場合、0.25ml/回を接種します(標準接種の3歳以降は0.5ml/回)
Ⅱ期(9~13歳未満)まで追加接種はありません
3歳未満と3歳以上における接種後の抗体陽転率や抗体価に大きな差はありません