麻疹ウイルスによる感染症で、空気感染・飛沫感染・接触感染により感染し、潜伏期間10~12日を経て発症する
感染力は極めて強い
カタル期(2~4日)※感染力が強い時期
38~39度の発熱、倦怠感、不機嫌、咳、鼻水、咽頭痛、結膜充血、眼脂
下痢、腹痛を伴うことも多い
発疹が出る1~2日前に口腔内にも症状が出る
発疹期(3~5日)
熱が少し下がったのち再び高熱
(インフルエンザにも多い二峰性発熱)
耳後・首・額から発疹が出て、顔・体幹・上肢から全身に広がる
カタル症状が強くなる
回復期
合併症がなければ7~10日後には回復
合併症は肺炎・脳炎・中耳炎・クループ・心筋炎など
(二大死因は肺炎・脳炎の合併)
発疹は色素沈着がしばらく残る
解熱したのち3日を経過するまで出席停止
麻疹患者と接触した場合は接触後21日間の健康観察が必要になります
保健所指示に従ってください
1回接種による免疫獲得率は93~95%、2回接種では97~99%です
⚫︎症状が重い
⚫︎肺炎や脳炎を合併し命にかかわる
⚫︎感染力が非常に強く周囲への影響が大きい
ことから、1歳で1回目/年長さんで2回目の予防接種を受けることになっています
様々な事情や保護者の考えで受けていなかったり受けそびれていた方にも「少なくとも麻疹風疹ワクチンは」とご提案しています
すっかり身近になった感染症法上の分類では麻疹も5類ですが、診断した全てのケースを保健所に報告する必要があり、感染力影響力の大きさから発症者の行動が情報公開されます(移動歴/利用した公共交通機関/立ち回り先など)
潜伏期間はおよそ10~12日、4週間発症者がいないことを確認するまで収束と言いません
H10~11の沖縄の流行では9名ものお子さんが亡くなりました(当時国内で年間20~30名が麻疹で死亡)
当時状況を視察した関係者が、人工呼吸器につながれた4名の子どもたちを目の当たりにし、ひどくショックを受けて対策に力を注いだと聞いています
当クリニックご利用のパパママにご周知いただいているように、開業以来ずっと発熱・発疹・咽頭痛がある場合、他の方との動線を分けています
コロナ禍以降はTEL予約を必須としています
●発熱・発疹・咽頭痛・目の充血の有無など症状の経過、家族歴
●MRワクチンの接種歴
●状況により行動歴 など
をお聴きした上でご来院いただき、順番までお車で待機&スペースを分けて診察をしているのは、医療機関での感染拡大を最小限にするためですが、集団生活に入ってもなおワクチン未接種のお子さんが発熱で受診をする場合、麻疹の可能性を除外することができない意味合いもあります
となりにいる子は、来月心臓の手術を控えている子かもしれない、腎臓の病気を持っている子かもしれない、ママは妊婦かもしれない、がん治療中のパパかもしれない
「もらわない」「うつさない」ために、接種歴ご確認ください